vSphere with Kubernetes ラボ環境構築。Part-01: 環境説明編

vSphere with Kubernetes ラボ環境構築。Part-01: 環境説明編

vSphere 7.0 から、vSphere で Kubernetes ワークロードを実行する機能が追加されました。

vSphere with Kubernetesの設定と管理

vSphere with Kubernetes Configuration and Management (英語の原文)

この機能を「ちゃんとサポートされた構成」で構築するには、

ハードウェア/ソフトウェア要件がわりと厳しめです。

そこで今回は、とりあえず機能を体験するためのラボ環境構築をしてみます。

vSphere with Kubernetes を有効化したクラスタは Superviser Cluster や、Workload Control Plane(WCP)と呼ばれていて、

vCenter のインベントリで「名前空間(Namespace)」が作成できるようになります。

この環境での Kubernetes ワークロード実行には、主に 2パターンあります。

vSphere Pod

  • ESXi が Kubernetes の Worker Node になる。
  • Pod が作成されるたびに、Pod 専用の VM が起動される。

Tanzu Kubernetes Cluster

  • ゲスト OS での Kubernetes クラスタを構成する。つまり VM が Kubernetes の Worker Node になる。
  • Pod は、Worker Node の VM 上で起動される。(vSphere Client から見えるのは Wroker Node まで)

vSphere Client から見ると、それぞれ下記のように見えます。

wcp-01-p01.png

環境説明。

Superviser Cluster での Kubernetes は、NSX-T の利用を前提としています。

これから構築するラボ環境のネットワーク構成は、下記のような感じになります。

NSX-T では、Tier-0 Gateway を手作業で作成しておく必要があります。

(NSX の各要素の設定については、のちほど説明するつもり・・・)

wcp-01-p02.png

サーバ構成。

今回は、下記のようなサーバ構成にしています。

図の赤破線内の VM は、あらかじめ用意しておきます。

  • 物理マシンは、サーバではなく、ちょっと性能がいい PC を利用します。
  • ネステッド ハイパーバイザ環境です。(ESXi 上の VM に、ゲスト OS として ESXi をインストール)
  • 頑張れば、もう少し CPU / メモリ リソースは削減できます。
  • vCPU / vRAM 割り当てが大きい vCenter、NSX Manager、NSX Edge は、ネステッド ESXi の外側に配置。
  • Superviser Cluster ラボ環境むけに、新規で vCenter を用意して、 ネステッド ESXi を登録しています。

wcp-01-p03.png

ネストの内側の環境について。

まず、今回 Supervisor Cluster にする vSphere 環境です。

ESXi 3ノードの vSphere クラスタ(wcp-cluster-01)を構成しています。

バージョンは下記です。

  • vCenter Server 7.0.0a
  • ESXi 7.0 GA

wcp-00-02.png

ESXi の共有データストアは NFS です。

一般的には vSAN になると思いますが、ネステッド環境のスペックの都合上 NFS にしています。

シン プロビジョニングになるので、搭載 VM の VMDK 合計よりも少ない容量(500 GB程度)です。

wcp-00-03.png

ESXi には、「ワークロード管理」の機能をもつライセンスが必要です。

今回は、ESXi インストール直後の評価モード(60日間の)です。

wcp-00-05.png

ネストの外側の環境について。

ここまでに紹介した「ネステッド vSphere」の外側の vSphere です。

機能上ネステッド ESXi 上にのせる必要がない VM は、あえて外側の vSphere に配置しています。

下記の VM が稼働しています。

  • ESXi の VM が 3つ
  • vCenter
  • NSX Manager
  • NSX Edge (スクリーンショットにはまだ存在しない)
  • NFS データストアにしている Linux VM

wcp-00-01.png

ネステッド ESXi(ESXi をインストールしている VM)の vNIC では、ネストむけのポートグループを割り当てます。

この環境では vDS を利用しており、分散ポートグループは次のように設定しておきます。

  • VLAN トランク(0-4094)。※vSS の標準ポートグループの場合は VLAN 4095。
  • 無差別モード、MAC アドレス変更、偽装転送を「承諾」。

wcp-00-07.png

また、この vDS も NSX-T オーバーレイ ネットワークの経路になるので、

MTU を 1600 に設定しておきます。

wcp-00-06.png

つづく。

vSphere with Kubernetes 環境構築。Part-02: vSphere 事前準備編

Comments

ちょうどラボ環境の構築に取り掛かるところなのでめちゃくちゃ参考になります!いつもコンテンツありがとうございます。

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‎05-26-2020 06:02 AM
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