vSphere のライセンスにバンドルされるvSphere Data Protection VM(VDP)のUpgrade 方法です。
Part 1ではUpgrade前までのフェーズをご紹介します。
!!!!! 注意 !!!!!
vSphere Data Protection(VDP)のUpgradeはVxRailのサポートに含まれません。
VxRailのUpgradeの際にvSphere Data Protection(VDP)はUpgradeされませんので、お客様にて事前にUpgradeを実施いただく必要があります。
本資料は参考資料としていただき、正式な手順についてはVMware社の提供する資料をご参照ください。
本資料で紹介されない細かい手順や、トラブルシューティングなどについてもVMware社提供のKBやドキュメントを御参照ください
### vSphere Data Protection のUpgrade参考手順 ###
vSphere Data ProtectionのUpgrade概要(所要時間やマニュアル等)
#### 1 .VDPアップグレードの方法(マニュアル等)
VDP 6.0の管理者ガイドに記載のあるUpgrade手順にて実施可能です。
なお、vDP6.1管理ガイドには アップグレードに関する情報が無いため6.0でのガイドをご紹介しています。
各手順の詳細はvDP6.0管理ガイドを必ずご確認下さい。
・Administration Guide/管理者ガイド VDP 6.0
https://docs.vmware.com/en/VMware-vSphere/6.0/vmware-data-protection-administration-guide-60.pdf
・vSphere Data Protection Release Note
※Release NoteにはUpgradeに関する不具合や推奨が記載されているので必ず事前にお目通しください
検索エンジンで検索すると簡単にヒットします
またVMwareのものではありませんが、以下のサイトもご参考になるかと思います。
#### 2 .VDPアップグレード時の影響範囲
Upgrade中はバックアップやリストアなどのオペレーションができなくなります。
#### 3 .VDPアップグレード作業の想定時間
Upgrade自体に1-4時間ほどかかります。
前後の作業がスムーズに進んだ場合でもプラスして1時間は必要となりますので、
2時間~5時間程度(トラブル無の場合)必要となります。
弊社ラボ内で実施した際は、小さいサイズのVDPでしたが、UpgradeファイルのUploadとデータ整合性チェックに時間がかかったため、4時間必要でした。
事前にUpload~整合性チェックまでは実施されておくほうがよろしいかと思います。
現在のVersionの確認
vSphere Web Clientにログインして現在ご使用のVDPのVersionをご確認ください。

※ドロップダウンから対象のVDPを選択してConnectをClick

Configure タブからVersionを確認

互換性の確認
以下のVMware社のサイトより、VxRailのESXi/VCのVersionと互換性のあるVDPのVersionを確認し、UpgradeのターゲットのVersionを決めてください。
http://partnerweb.vmware.com/comp_guide2/sim/interop_matrix.php?#interop&68=&1=&2=&hideEmpty=false&h...

※ターゲットVersionの選定について
互換性に問題がない場合でも6.1.4以降を推奨します。
Intel CPUの脆弱性に対応するためには6.1.8以降でないといけません
Upgrade Pathの確認
以下のVMware社のサイトを確認し、現在のVDPのVersionとターゲットVersionのUpgrade Pathをご確認ください。
VMware Product Interoperability Matrices

Upgradeファイルのダウンロード
VMware社のサイトよりターゲットVersionのVDPのUpgrade用ファイル(.iso)をダウンロードしてください。
ダウンロードページは検索エンジンから検索すると簡単に見つかります。
ダウンロードにはMy VMwareのアカウントが必要です。

VDP のSnapshotの取得
以下の手順でVDPのスナップショットをご取得ください
1.VDPのShutdown
WebClientからVDPを右クリックしてShutdown GuestOSを選択してシャットダウンしてください

2.Disk Modeの変更
右クリックのEdit Settingを選択し、Hard Disk2のDisk ModeをIndependent - Persistent からDependentに変更してください。

同じ操作をHard Disk3以降のすべてのDiskに対して実施してください
※Hard Disk3以降の仮想ディスクはManage Other Disksボタンから管理できます。

3.Snapshot の作成~PowerON
Hard Disk2以降のすべての仮想ディスクのDisk ModeをDependentにしたら、vSphere Data Protection VMの Snapshotを取得したのち、PowerON してください

Upgradeファイルのアップロード
vSANデータストアにフォルダを作成してvSphere Data ProtectionのUpgradeファイルをアップロードします。
下記のGIF動画を参考にUploadしてください
※GIFが再生されない場合は画像をクリックしてください

!!!! 補足情報 !!!!
WebClientからのUploadにはClientPluginのInstallが必要になります。
環境によってはClientPluginが正常に動作せずUploadが行えない場合があります。
その場合は、WebClientからUploadフォルダを作成したのち、WinSCPなどのソフトウェアを使用して、ESXiに接続し、作成したフォルダにファイルを転送してください
VDPにISOファイルをマウント
Power On済みのVDPに先ほどUploadしたISOファイルをマウントしてください。
vSphere WebClientの右クリックからEdit Settingを選び、下図を参考にISOファイルをマウントしてください。

※必ずConnectedのチェックボックスにCheckを入れてください。そうしないとマウントされません

VDPのサービスヘルスチェック~ISOファイルのマウントを確認
https://<IP_address_VDP_appliance>:8543/vdp-configure/
にアクセスして、Configurationタブですべてのサービスが正常に稼働していることを確認してください。

サービスの正常動作を確認したら、次はUpgradeタブへ移動してください。
ISOマウントが正しくマウントされ、自動の解凍処理が完了すると実施可能なUpgradeとして表示されます。
ISOのマウント~解凍~Upgradeの表示までは20分以上かかることがあります。

無事にファイルの解凍とチェックが完了し、Upgrade可能な状態になると以下のように表示されます。

Part 2ではUpgrade VDPボタンを押下して、実際のUpgradeフェーズのご紹介をさせていただきます。