VMware KB#70650に基づいたVxRailにおけるクラスタシャットダウン手順

VMware KB#70650に基づいたVxRailにおけるクラスタシャットダウン手順

VxRailでは、VxRail Manager GUIにてクラスタのシャットダウンボタンを提供しており、

簡単にクラスタシャットダウンを実施できます。

しかしながらVMware KB#60424 (https:/kb.vmware.com/s/article/60424)で紹介されている通り、

vSAN環境では、シャットダウン手順によってはデータの不整合を引き起こす恐れがあり、

KBに従ったStepによってシャットダウンを実施することも可能となっております。

 

vSAN 6.7 Update 3以降では、VMware KB#60424の手順の簡略化として

VMware KB#70650 (https://kb.vmware.com/s/article/70650) が公開されております。

本記事は、VxRail 4.7.300以降のすべてのVersionで適用されます。

また常にKB側を最新情報として必ずご確認ください。

※本記事を公開するにあたり 十分検証確認を行っておりますが、データ保全に関して当アカウントは責任を負いかねますのであらかじめご了承下さい。

 

まず、大まかな流れとしては、下記のようになります。

■事前準備編

 1. vSANの健全性確認

 2. vSphere HA Disable

 

■仮想マシン停止編

 1. VCSA/PSC以外のすべての仮想マシンをシャットダウン

 2. vCLS VMの削除(retreat modeの有効化)

              ※本項目はVxRail 7.0.100 以降で必要です

              ※VxRail 4.7およびVxRail 7.0.100未満では不要となります

 3. VCSA/PSCのシャットダウン

              ※VxRail 7.0以降ではVCSAのみ存在します

 

vSAN切り離し・シャットダウン編

 1. すべてのESXiにてvSANに関する設定値変更のコマンド実施

 2. vSAN切り離しのScript1台のESXiで実行

 3. ESXiをメンテナンスモードに移行

 4. Nodeをシャットダウン

 

Stepについて記載していきます。

■事前準備編

 1. vSANの健全性確認

下記を参照して、クラスタの健全性を確認します。

VxRail: Health Check 方法(https://communities.vmware.com/docs/DOC-40038

特に「データ」-VSANオブジェクトの健全性」の項目にて、「健全」以外の項目がすべて0であることを確認します。

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 2. vSphere HA Disable

 Clusterの設定として vSphere HAが有効化されている場合には、Disableに変更します。

 vSAN Cluster > 構成 > vSphereの可用性 の編集を選択

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 vSphere HAをDisable(下記状態がdisableの状態)

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なお外部vCenterにてvSAN Clusterを管理している場合、ESXiホストをメンテナンスモードに移行時に不要な仮想マシンの移動を防ぐため、DRSは"Manual(手動)"への変更を推奨させていただきます。

 

■仮想マシン停止編

 1.VCSA/PSC以外のすべての仮想マシンをシャットダウン

vCenter Server ApplianceとPlatform Service Controllerを除くすべての仮想マシンをシャットダウンします。

※VxRail ManagerをDNSとして利用しているInternal DNS構成の場合は、VxRail Managerを停止するとDNSによる名前解決ができなくなるため、VxRail Manager VMのシャットダウンは、VCSA/PSCのシャットダウンのステップで実施してください


 2.vCLS VMの削除(retreat modeの有効化)

※本項目はVxRail 7.0.100 以降で必要です
※VxRail 4.7およびVxRail 7.0.100未満では不要となります

retreat modeの有効化については、VMware KB:80472などに手順の記載がございます。

vSphere Cluster Services (vCLS) in vSphere 7.0 Update 1 and newer versions (80472)
https://kb.vmware.com/s/article/80472

クラスタの退避モードへの切り替え
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/com.vmware.vsphere.resmgmt.doc/GUID-F98C3C93-875D-4570...

 

下記はvSphere Clientを使用した変更方法を記載します。
※KB情報やVMware Docsを常に最新情報としてご認識ください

  2-1. vSphere Client へログイン

  2-2. Shutdown するVxRail Cluster を選択し、ブラウザのURLにある「domain-c<数字>」のような形式のクラスタのドメインIDをメモします

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  2-3. vCenter Server > 構成 > 詳細設定 > 右上の設定の編集を押下

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  2-4. 検索欄にて、vclsといった文字列ですでにパラメータが存在するか確認

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存在する場合には、パラメータのTrueをFalseに変更し、保存を押下

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存在しない場合には、下図のように名前(config.vcls.clusters.domain-c<数字>.enabled)と値(False)を入力し、
追加ボタンを押下、vCenter Server の詳細設定の編集の保存を押下

※数字の欄を2-2で確認した値に書き換えてください

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  2-5. vCLSが3台シャットダウンされ、削除されたことを確認

※vCLSが起動している状態の場合には下図のような表示となります

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3. VCSA/PSCのシャットダウン

※VxRail 7.0以降ではVCSAのみ存在します

起動時に困らないように、PSCおよびVCSAが稼働しているESXiホストをメモするか特定のESXiホストへvMotionを実施します。

シャットダウンの手順は様々ありますが、下記は例としてVAMI(アプライアンス管理インターフェース)からのシャットダウン手順をご案内します。

VAMI(アプライアンス管理インターフェース)へアクセスするには、それぞれ、VCSA/PSCのIP address宛にhttpsで5480ポートを指定してアクセスできます。

https://VCSA-ip-address:5480/

https://PSC-ip-address:5480/

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■vSAN切り離し・シャットダウン編

 ●事前作業
 各ESXiホストのsshを有効にする
 ※以下サイトに、ESXiのsshを有効にする方法がございます
  ・VxRail: ESXi、vCenter、PSCのSSH有効化
   https://communities.vmware.com/docs/DOC-39994


 1. すべてのESXiにてvSANに関する設定値変更のコマンド実施

# esxcfg-advcfg -s 1 /VSAN/IgnoreClusterMemberListUpdates

 

 2. vSAN切り離しのScriptを1台のESXiで実行(一番最後のESXiで実行など必ず1台のみで実施してください)

 ※Cluster preparation is done! と結果が出ましたら問題ございません。

# python /usr/lib/vmware/vsan/bin/reboot_helper.py prepare

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 3. ESXiをメンテナンスモードに移行(全てESXiで実施してください)

"esxcli vsan cluster get | grep "Maintenance Mode State""にて、メンテナンスモードかどうかの確認(ON の場合、メンテナンスモード状態)

"esxcli system maintenanceMode set -e true -m noAction"にて、No Actionのオプションでメンテナンスモードへ移行実施

# esxcli vsan cluster get | grep "Maintenance Mode State"

# esxcli system maintenanceMode set -e true -m noAction

 

 4. Nodeをシャットダウン(全てESXiで実施してください)

vSphere Host Client または、DCUIよりESXiのシャットダウンなど手順は様々ありますが、CLIでの実施も可能です

# esxcli system shutdown poweroff -r ClusterShutdown

 

DCUIの場合、仮想コンソール(または実機のコンソール)を開き、[Alt] + [F2]を押してESXiの画面に移動してから、[F12] を押しESXiのroot userでLoginを実施

なおpassword入力時は、"Login name"の部分で正しくキーボード入力されるか確認してから実施すると良いです

仮想コンソールのキーボード設定によって"@"などの位置が違う場合がございます

"Shutdown/Restart"のMenuが表示されるので、[F2] Shut Downを選択してESXiのShutdownを実施してください

 

上記手順にてVxRail クラスタ停止手順が完了します

※シャットダウンを実施してもiDRACへの接続が可能なのは問題ありません

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Last update:
‎03-17-2022 02:21 AM
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