2021/01/12 以降にvSphere Web Client にアクセスした際に以下のようなマークが表示され、ページが表示できない
※ Flash の実行がサポートされないブラウザの場合は Flash の実行ができず、上記のような表示にはなりません。
上記の事象は、Adobe Flash Player がサポート終了となったことによる影響です。
Adobe Flash Player は2020/12/31をもってサポートが終了しており、新規のダウンロード・インストールができません。
◼Flash Player のサポートが終了するのはいつですか?
2020 年12 月31 日をもってアドビによるFlash Player の配布と更新を終了します。
◼2020 年末を過ぎても、アドビから旧バージョンのAdobe Flash Player をダウンロードできますか?
いいえ。アドビは自社サイトからFlash Player のダウンロードページを削除します。また、Flash ベースのコンテンツは、サポート終了日以降、Adobe Flash Player での実行がブロックされます。アドビは、常に最新のサポート対象ソフトウェアを使用し、更新することを推奨しています。アドビのサポート終了日後はFlash Player を使用しないでください。
2021/01/12 以降は、Adobe Flash Player の実行がブロックされることにより、vSphere Web Client (Flex Client ) が表示できなくなります。
なお、Adobe Flash Player やブラウザの自動更新設定をしていなくても、2021/01/12 を迎えると発生する可能性があります。
また、VMware 製品に限らず、Adobe Flash Player を利用するアプリケーションはすべて影響を受けます。
本Documentでは、VMware KB 78589 をベースとし、vSphere に焦点をおいて説明してます。
ウェブブラウザを使用するVMware 製品の機能の一部が利用できなくなる可能性がありますので、
VMware KB 78589 をご覧の上、影響を受ける製品の確認及び対処策の実施をする必要があります。
https://kb.vmware.com/s/article/78589?lang=ja
基本的には、上記KBに記載のある、推奨される最小バージョンにアップデートいただく必要があります。
なお、vSphere Web Client の中でプラグインとして稼働していたサードパーティ製品が存在している場合、HTML5 版のvSphere Client に対応しているか各プラグインのベンダー様へ確認が必要です。
影響を受ける製品について、推奨される最小バージョン(KB 78589 参照)以上へのアップデートが難しい場合、または何らかの事情ですぐにアップデートができない場合、Adobe Flash Player で提供されている“エンタープライズ向け機能”を設定することで一時的に利用可能になります。
エンタープライズ向け機能の設定方法については、KB 78589 に記載されているものとなりますが、VMware社によってサポートされた手順ではないため、お客様の責任にてご利用いただく必要がある点についてはご留意ください。
そのため、あくまでも 推奨される最小バージョンへのアップデートのみが唯一の公式な回避策であり、“エンタープライズ向け機能”の設定による回避策はアップデート完了までの一時的な WorkAround として利用する必要があります。
VMware社は、サポート期間内の VMware 製品については引き続き Flash ベースのユーザー インターフェイスをサポートする予定ですが、Flash ベースのユーザー インターフェイス が利用できないことによる不利益や、代替手段の確認についてはユーザの責任範囲となる可能性がございますので、可及的速やかに推奨される最小バージョンにアップデートいただくことを推奨します。
以下では、“エンタープライズ向け機能” の設定方法について、VMware KB 78589 を補足する形で説明します。
WorkAround にて設定している内容は以下です。
※重要1※
この WorkAround はブラウザが Adobe Flash をサポートしている必要があります。
Google Chrome の場合は、Version 87 以降、 Firefox の Version 85 以降で Flash の実行がサポートされませんので、この WorkAround はご利用いただけません。
Firefox End of Adobe Flash Support
https://support.mozilla.org/en-US/kb/end-support-adobe-flash
Chome 87 Release Note
https://storage.googleapis.com/support-kms-prod/jwLVBIqFYztdeLT3nYiOMuqEb67g6b2mKviN
”Important: Adobe will no longer update and distribute Flash Player after December 31, 2020. After this date,all versions of Chrome will stop supporting Flash content.”
※重要2※
WorkAround を実行するためには、ご利用の端末にすでにAdobe Flash が Install 済みである必要があります。
Adobe Flash の EOL 以降、Adobe Flash を新規に Download& Install することができなくなっております。
EOL 前に Adobe Flash がインストール済みである必要があります。
※重要3※
サポートされるブラウザや、Adobe Flash を準備できない場合は、こちらの WorkAround が利用できませんが、
Dell Technologies が提供する VNX Launcher を利用することで、Flash 版の GUI にアクセスできることが知られています。
本来の用途とは異なるため自己責任となりますが、どうしても必要な場合はご検討ください。
VNX Launcher の Install 方法 (Installer のダウンロードには Dell サポートサイトのアカウント登録が必要)
設定方法は以下です。
Task 1
利用しているブラウザのmms.cfg ファイルを開きます。
mms.cfgファイルの場所は使用しているオペレーティングシステムとブラウザによって異なります。
ファイルの配置場所については、VMware KB 78589 、もしくはベンダーのドキュメントをご参照ください。
Internet Explorerの場合の注意点
VMware KB 78589 の記載がわかりにくいですが、
IE(32bit)の場合は、%windir%\System32\Macromed\Flash\mms.cfg
IE(64bit)の場合は、%windir%\SysWOW64\Macromed\Flash\mms.cfg
になります。
mms.cfg ファイルがない場合はテキストドキュメントとして新規作成してください。
Google Chrome および Edge Chromium の場合の注意点
”System” フォルダ、および mms.cfg ファイルが存在しない場合は、手動で作成する必要があります。
参考詳細手順(Google Chromeの場合)
Step 1
%localappdata%\Google\Chrome\User Data\Default\Pepper Data\Shockwave Flash\ のフォルダにアクセス
Step 2
新規フォルダを作成する。
Step 3
作成したフォルダの名前を変更して、System にする
Step 4
作成したSystem フォルダ内に、テキストファイルを作成し、mms.cfgと名付ける
Task 2
Task 1で作成したmms.cfg に以下の設定を書き込む
EOLUninstallDisable=1
EnabledAllowList=1
AllowListPreview=1
AllowListUrlPattern=https:// <vCenter Server FQDN> /
参考画像:FQDN 記載時
参考画像: FQDN および IP アドレスの両方を記載時
留意事項
FQDN で記載した場合、vSphere Web Client にアクセスする際も FQDN でアクセスする必要があります。
IP アドレス でアクセスする場合は、FQDN ではなく IP アドレスで記載する必要があります。
AllowListUrlPattern の行は複数書くことができますので、FQDN と IP アドレスの両方を記載しておくことを推奨します。
また、対象となるVCSAが複数ある場合も同様に AllowListUrlPattern を複数記載してください。
※外部型PSC構成の場合でも PSC の FQDN/IP アドレスの記載は不要です。
なお、AllowListUrlPattern にはワイルドカード文字である * (アスタリスク) を利用可能です。
ワイルドカードの利用については以下の制限があります。
・ IPアドレス表記の場合はワイルドカードを利用できない
・ワイルドカード文字の後には、二つ以上のラベルを含む必要がある。すなわちFQDNのうちトップレベルドメインとセカンドレベルドメインは最低限含まなければならない
OKな例:AllowListUrlPattern=https://*.example.com/
NGな例:AllowListUrlPattern=https://*.com/ <<<< * の後に.comしかないためNG
その他、mms.cfg への記載方法についてはAdobe 社の公式ドキュメントをご参照ください(P.28以降)
Task 3
ブラウザからページの更新(F5ボタン)、もしくはブラウザを再起動し、mms.cfg ファイルに追加した vCenter の vSphere Web Client に再度アクセスして、表示されることを確認します。
うまくいかない場合の対処
本 Work Around は、VMware KB に記載のある手順となりますが、KB に記載の通り、VMware 社は本手順をサポートしておりません。
期待通りの動作とならない場合は、Microsoftなどの OS ベンダーや、Adobe社にお問い合わせいただく必要があります。
Reference
VMware KB (日本語) | https://kb.vmware.com/s/article/78589?lang=ja |
Adobe_Flash_Player_Administrator_Guide__ (mms.cfg の記載方法) | |
Adobe Flash Playerサポート終了情報ページ | https://www.adobe.com/jp/products/flashplayer/end-of-life.html |